嬉しかった話

 


 先日とある会のご感想。

 

 老人ホームだったのですが、奥様の認知症が進行してきて旦那さんと普段は部屋も別でコミュニケーションがとりづらいというご夫婦。奥様が落語会のときに涙を流している姿をみて、「妻にもまだこういう感情があるんだ」と旦那さんが嬉しくなったそうです。


 別の方。認知症が進行して短期記憶がむずかしい方なんですが、翌日「昨日の落語会が楽しかった。」と何度もスタッフの方におっしゃったそうです。


  喜んでいただけるのが一番嬉しいです。


  私の力でなくて、噺そのもののもつすごい力というのがあるのだなと改めて感じました。いろんな演者、その時代時代のお客様の笑いが彫刻刀のようにコツコツ彫り上げた作品をやらせていただいてるんです。

 

  ついウケることを考えてしまいますが、噺そのものを伝えることを目指すのは大切で価値のあることだと思いました。


 

 ただ、聴くのがつらくて泣いていたのだったら申し訳ないですね。